根子岳 山スキーデビュー

山スキー&雪山行 手はじめ どうなる 自分!?

  • 山名; 根子岳

  • ルート; シュナイダーゲレンデ~奥ダボスゲレンデ~夏道沿い(ダウンヒルコース)~根子岳 ;往復

  • 登山形態; 単独 山スキー ピークハント

  • 日程; 2006/01/06(金) 前車泊
  • 行程;7時間 移動;5時間40分
  • シュナイダー駐車場 -1時間35分- 奥ダボス上 -2時間35分- ヘリポート -30分-根子岳 -40分- 奥ダボス上 -10分- シュナイダー駐車場
菅平~根子岳 平面略図

平面略図

菅平~根子岳 高低略図

高低略図

 


※時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです。あくまでも参考としてください。

 

山スキーデビューは、20年ぶりの菅平スキー場からの根子岳に決定。

自宅→【上信越HW.上田菅平】→菅平スキー場 5時間/約270km〈¥5,800〉
国道沿いのシュナイダーゲレンデ駐車場(無料)に車を停める。粉雪が降っている。スキー場10km手前から圧雪道だった。

5:00 除雪車の轟音と振動で目覚める。雪雲は去り星が見える。初の山スキーで興奮気味 あまり熟睡できなかった。
 6:00 暖かいチャウダーを食べる。『なにが、どうなっちゃうのカナ』 わくわくどきどきしながら支度する。車内で2℃ 外は-10度 幸い無風に恵まれる。

シュナイダー駐車場

1315m
06:50出立
曇り 無風
-10℃
foma=〇
駐車場


 
冬のダボスゲレンデからの風景

向かいのオオマツゲレンデ

初めてのスキーシールと踵の上がるビンディング。感触をたしかめながら雪を踏む。シュナイダーリフト乗り場から、いよいよ本番。驚くほど快調に登れる。

ゲレンデ上部のパークの中はピステンされておらず、昨夜積もったふかふかの雪がそのままだ。ツボ足で歩いたら膝以上もぐってしまう箇所を、板を履いていればスネ深さのラッセルで進める。ジャンプ台横の短い急斜面もなんなく直登できる。『山スキーってすごいかも!』 その機動力の高さに驚く。

スキーの裏面に貼り付ける

これが山スキーの武器 スキーシール

 

▲登り 35分 シール ピステン→粉雪;スネ

表ダボス上

1460m
07:25
晴/曇り 無風
-10℃


冬の根子岳と四阿山

左:根子岳 右:四阿山

シュナイダーゲレンデからの根子岳

シュナイダーゲレンデから

 

表ダボスゲレンデ上部からは綺麗に整地されたゲレンデを登る。 まだリフトも動いておらず、誰もいないゲレンデで静かに朝を迎える。丘を登りきると前方に目指す根子岳と隣りの百名山:四阿山(アズマヤサン)が双耳峰のように良く見える。 大きく深呼吸する。あっという間に鼻の中が〔パキパキ〕身体はすでに暑いが、外気はかなり低温だという事を忘れてはいけない。

上から見ると奥ダボスにも立派な駐車場があった。『20年前の記憶はあやふや~』 しかし菅平の広大な高原とやや短めのゲレンデがたくさんある全体像は昔と変わっていないようだ。『奥ダボスがスタートでいいのか… まぁ、今回は足慣らしと言うことで。』 自分をいいきかせ前進。

表ダボスから奥ダボスを結ぶゲレンデに出る。『スキーシールを付けた状態での滑走性を確かめてみよう。』ビンディングの踵を固定して滑ってみる。『スキーは滑る』という感覚の呪縛が強いため、身体が前に出すぎる。テールをスライドさせるような滑りはできない。かなり強めに踏み込まないと板が回りださない。『感覚的な慣れがいるぞ。』下まで滑ったら、今度はクライミングサポートを1ノッチ立てて左側のゲレンデを登る。


▲登り 1時間 シール 粉雪;足首~スネ

奥ダボス上

1530m
08:25~08:30
晴/曇り 無風
-12℃


ここがリフト最上部。 管理の方は居るがリフトはまだ動いていない。 この先はヘリスキーか、山orテレマークスキーのバックカントリーフィールドとなる。

夏場に大活躍したハイドレーションシステム。チューブにネオプレーンのカバーを巻いてきたが、すでに氷結。ザックを降ろしキャップから飲む。

先の道を見る。誰もいないどころかピステンもまだ成されていない。 昨夜積もった雪がそのままの状態。 稜線は大きく綺麗な右弧を描きながら根子岳頂上に伸上がっている。 『ふぅ~』 、 『よっしゃ~』 粉雪にスキーを滑りこませる。


 
伸びやかにひろがる雪原

ここからバックカントリー

 
チューブ内凍りつく

ハイドレーション氷結


▲登り 1時間10分 シール 粉雪;足首~スネ

避難小屋

1780m
09:40~09:45
晴 無風
-10℃
無人小屋


時々、ヒザまで沈む箇所もあるが、雪が軽いので、さほど苦労しないで前進できる。 振り向くと自分のスキー跡だけが雪平原に伸びている。

下からピステン車のお兄さんがニコニコしながら追い抜いてゆき、あっという間に整地される。この先、斜度が増すが、整地されればスネラッセルから開放される。 ピシッと付けられたピステンの溝は、熊手で掃いた白石のようだ。 踏み込みのにちょっと気が引けるので、整地された端を登る。 登るスピードは格段に上がるのだが、硬い感じが足に響く。


新雪に刻むハイクアップ

『夏山では味わえない喜びだネッ』

 
ピステン整備

下からピステン車がディーゼル音をうならせ登ってきた

 
避難小屋はコンクリートブロック製のかまぼこ型

避難小屋

避難小屋はコンクリートブロック製のかまぼこ。登り道の右側にある。青空が広がる 高度も上がり北アルプスが観えてきた。


雪の北アルプスを望む

雪の後立山を望む

雪の信州

長野の街と飯綱山(1917m)さらには戸隠、高妻山も

雪の妙高、黒姫

妙高や黒姫も近く感じる


前夏に歩いた山々が雪化粧をほどこしたの惑姿を魅せてくれる。『山からの素敵なBirthday Presentだね!』


▲登り 1時間25分 シール ピステン

ヘリポート

2165m
11:10~11:15
晴 無風
 


奥ダボスヘリツアー

ツアー客を乗せたヘリ

ヘリポート下の右に曲がる所で一番ヘリがジェット音を立て飛んできた。 『今ぐらい視界があれば、空から観る雪山もステキだろうな。』 ヘリが飛び立った後、すぐにおじさんが笑顔と綺麗なロングターンを魅せながら、まだシュプールの無いピステンを滑り抜ける。気持ちよさそうだ。バックは安曇野と北アルプス『さすが日本のダボス』 広がる菅平高原は大きな箱庭 日本ばなれした景観だ。

ヘリポートに着くと2番ヘリから降りた方々が支度中。『登ってきたの!』驚く人もいるが、自分は上の空。 登山道にはロープが張られていて、頂上に行く道が見つからない。うろうろしていると、ヘリポート管理のお兄さんが話しかけてきた。 「山登りですか? 登山道はここですが、スキー跡があると知らない人が迷い込んでしまうので、下の方から入っていただけますか。」 『了解デス。』 スキー装着場の裏から森の中に入ってゆく。


雪の根子岳登山道

夏道のガイドマーキングに沿って

だいぶ雪が積もった木々

もうすぐスノーモンスター

アイスモンスター

真ん中なんて岡本太郎的

~登山道~


 
胸まで埋まる

すでに胸ラッセルで必死の図

すぐに腰まで埋まる。 『こりゃたいへん。』 雪崩は無いがモンスターから雪が落ちてきたらと思うとちょっと怖い。

斜度がきつくなるともはやスキーでは進めない。今回ワカンは持ってきていない。とりあえずスキーを外しツボ足で進んでみる。胸までのラッセル 時々首まで沈みそうになる。『浮くためには、接地面を増やせばいいのだから…』 ためしにお嬢さんすわりの体制で進む。スキーブーツで足がネジレて不自然な体制だがもぐらない。 『よし』 〔ズリズリ〕前進。 森を抜けるとツボ足でも膝までしか沈まなくなった 。


雪が深い

『ほんとにこの中を進むの?』

森中は雪深い

もうすぐ

隣の四阿山

四阿山が顔を出す


▲登り 30分 シール→つぼ足 粉雪;腰~胸~膝

根子岳

2207m
11:45~12:00
曇り/晴 無風
-12℃
foma=△
主峰


雪だらけで頂上の広場に出る。ヘリポートから無雪時なら10分という道を30分かかった。目印の祠と鐘を探す。『みっけ!』 白い雪に半分隠された黒い石の祠が四阿山を背景に建っている。 ここ最近の足跡は無い。『夏山とは違う登頂感』をあじわえる。

展望よく富士山、浅間山そして穂高から槍 後立山 妙高三山 北アルプスと信州の街が一望だ。百名山の四阿山はすぐ横に並ぶが、その稜線は雪山では細く感じる。

鐘をおもいきし鳴らし、登頂の喜びを音にする。澄んだ乾いた空気の雪山に響きわたる。


根子岳頂上の祠

雪に埋まりそうな頂上祠

根子岳 頂上の鐘

頂上の鐘

噴煙上がる浅間山

狼煙をあげる浅間山


冬山では動きを止めるとすぐに身体が冷える。たとえ外気-10℃でも、登っている間は汗が出るほどだが、動きを止めたとたんに汗は氷化する。 『夏のようにあまりゆっくりしていられないのね。』

嬬恋の山々には黒い雲が絡み、反対の安曇野の谷も白い雲が湧くのが見える。

頂上から自分のつけた道を戻りはじめると、山スキーのお兄さんが登ってきた。 スキーを履いたままだ。どうやら冬は、雪深い森中よりも、森を捲いた方が楽なようだ。 しかし途中で板をデポした自分はまた雪の中を泳ぐ。


富士山遠望

うっすらと富士山も観えた

根子岳から志賀方面

志賀方面

雪の根子岳頂上にて


▽下り 15分 ツボ足 トレース

ヘリポート

2165m
12:15~12:55
曇り/晴 無風
-8℃


根子岳頂上ヘリポートの風速

今日は無風の一日

 

『ここまで戻ればひと安心。』 ヘリポートでCoffeeを点て行動食をとる。冷えないようダウンを着込む。

ベテランぽい山スキーのおじさんが一人登ってきた。 管理の方に促され自分と同じルートに入っていかれた。お兄さんが入った巻き道は自信が無いので教えることはできない。

今日はあまりヘリスキーのお客さんはいないようだ。 朝に2~3回飛行しただけ。ヘリポートには自分と管理の方2名 計3人だけ 管理の方々も暇そうにしているので少しおしゃべり。 「正月一日は一日中飛んで、お茶すらのめなかったんだよ。」 すでに真っ黒に雪焼けした顔。 『今日はほぼ無風だから良いが、風の日に一日ここで働くのは大変だろうな』 『もし今日、風があったら自分は途中であきらめて頂を踏めなかったかもしれない 無風でよかった』

スキーシールを剥し、ブーツのバックルを締める。


~ダウンヒルコース~


今シーズンの初すべり&昨シーズンもあまりスキーに行っていない。久しぶりのスキーが根子岳からのダウンヒルで、『ぜんぜんだめー』どうやら登りで足の筋力を使いきってしまったようだ。 貸切状態で綺麗に整地されたコースだが、山を観ながらツーリングペースでゆっくり滑る。

テレマークスキーのアベックの方が登ってきた。板は背負っている。 「今日はヘリが飛ばず静かでよかった。」と男性の方『もうすぐでヘリポートですよ』と告げると 「がんばります!」と女性の方が返事。小柄なのにたいしたものだ。

 
ピステンされたダウンヒルコース

ピステンされたバックカントリー?

 
テレ板背負って

テレ板は軽いのかな?

 テレ板背負って


▽下り 15分 スキー ピステン

避難小屋

1780m
13:10
曇り 無風
-7℃
無人小屋


避難小屋前で頂上で会ったお兄さんと再会。お兄さんはコース外のオフピステを滑ってきた。『それぞ山スキー うらやましい』 私にはまだその技術の自信がない。『今日がはじめての山スキーなんです。』と話すと、「ここは登りが楽だからもってこいですね。 自分は谷側に入り込まないよう、コースに近い所を滑ってきた。」と話してくれる。

奥ダボスのリフト降り場まで後ろをついて滑る。 とてもお上手だ。コ-ス横の未整地帯に突入、自分も続く
今日は雪が軽いので自分も何とか一緒に滑れる。お兄さんは綺麗なフォームで粉雪のスプレーをあげる。

▽下り 10分 スキー ピステン→粉雪;スネ

奥ダボス上

1530m
13:20~13:30
曇り 無風
-7℃


3時間30分かかって登ったダウンヒルコースもスキーで滑り降りると25分。 お兄さんと一緒に一服。 埼玉から日帰りで来たという。 ビデオを映してあげ、当URLを教えて別れる《 後日、お兄さんからメールが届く 普段はモーグラーだそうだ。 お上手な訳だ! 》

ここからは一般ゲレンデ 今日は滑っている人は少ない。いったん表ダボスを滑り下りて、シュナイダーの丘には短いリフトで上がる。 今日のリフト代は1回券1枚〈¥400〉 『山スキーはリフト代が掛からないのね』


ゲレンデ 10分 スキー→リフト→スキー

シュナイダー駐車場

1315m
13:50下山
曇り
-5℃
駐車場


ゲレンデから車を停めた駐車場へショートカット。 短いオフピステで練習してから駐車場に滑り込む。
筋肉痛の身体にムチうって後片付けをしっかりする。


車 10分 

菅乃湯

温泉


信号の先(菅平に信号機は1箇所しかない)菅乃湯;菅平高原温泉ホテル〈¥550)で立ち寄り温泉。

『明日は何処に行こうかな~』 お湯はぬるめだが、かけ流しの雪見露天につかりながら考える。年季の入ったおじさんスキーヤーが「明日はこの辺もかなり降るぞ。」と湯の中で子供の笑顔。『あまり降られても~』 湯から上がってお天気check 霧ヶ峰辺りだけ天気がよさそうだ。 スキーツアーぽいがルートだが、以前から歩きたかった車山の稜線歩きにしましょう。

いったん中山道に降りて車を白樺湖への山道に向ける。


長いつらら

関東平野人はこんなのを喜ぶ

雪見の露天風呂

いい湯だな~ハハハン♪


白樺湖


白樺湖畔のレストランで今日あったことをイロイロ考える。 山スキーと言うにはおこがましいが、学んだこと、楽しかったこと、美しかったモノ などなど_


ブランシュたかやま

駐車場


夕食後、ブランシュたかやまスキー場の第2駐車場(無料)に車を止める。 疲労と満腹 仮眠所に入らないでも車内で爆眠。



天気図


装備
山スキーSET(ブーツはゲレンデ用)
ハイドレーション:2.0L 食料:1食 + 行動食1日分
コンロ(小カートリッジ*1)、ツエルトシート
18Lザック(6.5kg)


学んだコト
  • シール登行はスイスイと登るが、滑り降りる体力を残さねばならない。
  • むやみにツボ足になると苦労する。
  • 森中は雪が深い。
  • 雪山は夏の登山道に縛られる必要はない。
  • 水分は凍る。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*